2024年4月12日、このようなニュースが飛び込んできました。
まずは事故に遭われた方の1日も早い回復を願っております。犠牲になられた方のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
低圧カプセルで競輪選手が意識不明の重体 宇都宮の施設で2人搬送 トレーニング中か、宇都宮中央署が経緯調べる
ニュースを要約すると以下のようになります。
- 低圧室を利用していた競輪選手の男性から「女性の具合が悪そうだ」」と119番があった
- 駆けつけた消防隊員が外側から扉を開け、低圧室内で意識を失って倒れている競輪選手の男性と施設関係者の女性を発見し、救急搬送した。
- 低酸素室は内側からも開けられる構造
- 男性は意識不明の重体。女性は意識を取り戻した
- 低圧室は内部で操作する仕組みで、女性が動かしていた
- 男性は通報後に意識を失った
高地トレーニングが行われる環境を低地でシミュレートするには2つの方法があります。
弊社が採用している常圧低酸素は、厳密的な高地環境シミュレートではありませんが、以下のような利点があります。
まだ正式な発表がされていないので今回の事故原因は予想でしかありませんが、以下の事が可能性として考えられます。
低酸素トレーニングに対する注目が少しずつ高まるにつれ、常圧低酸素だけでなく低圧室にも注目が集まっていますが、低圧室を採用される方は今回の様な事故が起こる可能性も踏まえ、今一度リスク管理を見直してみてください。
また低圧室に限らず、低酸素トレーニングは
「体調の悪い時には行わない」
「利用中体調不良を感じたら無理をせず直ぐに低酸素室から退出する」
「SPO2を常に監視し、自分の力量以上にSPO2を下げない」
事を必ず厳守してください。
いつの頃か低酸素トレーニングは標高2500m以上が標準となってしまいましたが、2500mでは標高が高すぎる人もいます。
また標高が高ければ高いほど効果がある訳でもありません。
自分に最適な標高(気圧・酸素濃度)と自分に最適な運動強度が組み合わされた時に初めて低酸素トレーニングの効果が発揮されます。
石井隆行
株式会社アスリートネット湘南代表取締役
Hypoxic Training Systems 低酸素トレーニングシステムズ 管理者
1996年アトランタ五輪から5大会連続複数競技の日本代表選手のトレーナー。
「高地トレーニング」「低酸素室においてのトレーニング」に関して、当時の日本記録を保持する競泳選手のトレーナーをしていた2000年頃より研究を始める。
2017年に経営するトレーニングジム内に高地トレーニング専門スタジオをオープンさせるが、 国内の低酸素発生システムを取り扱う会社の方針に疑問を持ち、英国大手低酸素トレーニングセンターと提携を見据え協議を開始。
2020年、協議先センターが取り扱う低酸素発生装置の製造工場へ日本での独占販売契約を結ぶために渡航する予定の10日前、新型コロナウイルスの影響でフライトがキャンセル。訪れる予定の工場も一時閉鎖されてしまった。
この時点で海外製の低酸素発生装置の輸入販売から、純日本製の低酸素発生装置を製造することに方向転換。日本各地の数十社に企画を持ち込むも「技術的にできない」「安全性が心配」などの理由で断られ続けるなか、ようやく1社興味を持って頂く事ができた。そして試行錯誤を重ね、業務用Altitude Maxが完成。
その後、改良を重ね、他社の追随を許さない業務用低酸素発生器を完成させました。
現在でも、より安全で効率的な低酸素環境の構築システムを研究開発を続ける傍ら、多くの人へこの素晴らしい低酸素トレーニングの魅力を届けるために様々なメディアやSNSで発信中